Microsoft 365徹底解説

第11回

アドオンを利用してMicrosoft Teamsのウェブ会議に電話で参加

 Microsoft 365/Office 365で提供されているMicrosoft Teamsは、PCやスマートフォンを使ってウェブ会議が行えるほか、「Microsoft 365 電話会議」アドオンを導入すれば、電話で参加することも可能になる。今回はこのアドオンについて解説していこう。

インターネット環境がなくてもウェブ会議に参加可能

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が続いていることから、東京と神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県に緊急事態宣言が発令された。さらに政府は、人と人との接触を7割から8割削減することを要請し、改めて外出自粛を呼び掛けている。

 このような背景から、在宅勤務に取り組む企業は今後さらに増加するだろう。そのような状況で仕事を行うために必須だと言えるのがウェブ会議のシステムであり、Microsoft 365/Office 365ではMicrosoft Teamsが提供されていることを前回紹介した。

 さらにMicrosoft Teamsのウェブ会議は、Microsoft 365/Office 365のアドオンである「Microsoft 365 電話会議」のライセンスを購入することで、電話で参加することも可能になる。どうしてもPCやスマートフォンをインターネットに接続できないといった場合も、電話さえ使えれば会議に参加できるわけだ。

 Office 365 E1/E3のライセンスで、Microsoft 365 電話会議のアドオンを購入するには、Microsoft 365/Office 365の管理センターのメニューから、[課金情報]―[サービスを購入する]を選び、[アドオン]カテゴリを選択する。これでMicrosoft 365 電話会議の項目が現れるので、料金の支払い間隔やライセンス数を選択し、「今すぐ支払う」をクリックすればいい。なお、Office 365 E5にはこのアドオンがライセンスに含まれている。

「Microsoft 365 電話会議」アドオンの購入画面。1年間分をまとめて支払う場合、料金は1ユーザーあたり月額430円となる

 このライセンスをいずれかのアカウントに割り当て、さらに「Microsoft Teams管理センター」でウェブ会議に参加するための電話番号を取得する。これでウェブ会議に電話で参加することが可能になる。

電話番号の取得画面。国または地域、番号の種類、市区町村、市外局番、取得する電話番号の数を指定する

ダイヤルアウトで参加者を呼び出すことも可能

 Microsoft 365 電話会議のライセンスを持つユーザーが、Microsoft Teamsでウェブ会議を設定して参加依頼を行うと、ウェブ会議の通知メールに電話番号と会議ID(Conference ID)が記載されるようになる。電話で会議に参加する場合は、この電話番号と会議IDを使うわけだ。

会議に参加するためのリンク(Microsoft Teams会議に参加)の下に、ウェブ会議に参加するための電話番号と会議IDが記載されている

 実際にウェブ会議へ電話で参加するには、指定された電話番号に発信し、会議IDを入力して自分の名前を吹き込む。これによりロビーで待機している状態となり、ウェブ会議の開催者が参加を許可すれば、ほかの参加者と電話を介して会話できるようになる。

 ロビーで待機しているユーザーを参加させるには、開催者の画面で「参加者を表示」をクリックする。これでユーザーの一覧が現れ、「ロビーで待機中」の欄に電話で参加しようとしているユーザーの電話番号が表示されるので、チェックマークのアイコンをクリックすればいい。

ユーザーの一覧画面で、ロビーで待機しているユーザーの電話番号を確認できる。参加を許可するには、電話番号の後にあるチェックマークをクリックする

 なお、電話会議に開催者として参加することも可能だ。指定された電話番号に発信し、会議IDを入力した後に「*」をプッシュし、メールで通知されたPINを入力すれば、開催者として会議に参加できる。

 参加者が電話をかけるのではなく、開催者から参加して欲しいユーザーの電話番号に発信するダイヤルアウトの仕組みも備えている。この場合、参加者の一覧を表示し、テキストボックスへ相手の電話番号を入力すれば発信される。

Microsoft Teamsのユーザー一覧画面から、相手の電話番号を入力して呼び出すこともできる

 現在の日本では、幅広い場所でインターネットが利用できるため、電話でウェブ会議に参加したいというニーズは決して大きくないかもしれない。ただ、Microsoft Teamsにこのアドオンを組み合わせれば、もしものときでも電話でウェブ会議に参加できるという安心感が得られるのはメリットだろう。

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