Microsoft 365徹底解説
第7回
新型コロナ対策に使えるテンプレートをMicrosoftが無償提供
2020年3月18日 06:00
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大は、世界各地で人々の生活やビジネスに大きな影響を与えている。日本でも政府からの要請を受け、多くの小中高校や特別支援学校が臨時休校を実施しているほか、在宅勤務に切り替える企業も多い。
このような状況の中、Microsoftでは自社内でのコミュニケーションを円滑に進めることを目的として、Power Platformのテンプレートを無償でリリースした。
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在宅勤務に便利な機能をワンストップで提供するテンプレート
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、Microsoftが緊急でリリースしたこのテンプレートは、Power AppsとPower Automate、Microsoft Teams、SharePointを利用するもので、PCのウェブブラウザー、AndroidまたはiOSのモバイル環境、Microsoft Teams上で実行可能とされている。なお、本テンプレートはOffice 365 Business Premium/E1/E3/E5、Microsoft 365 Business/E3/E5でも利用することができる。
テンプレートの主な機能としては、従業員による在宅勤務や有給休暇の連絡、社内報や最新情報の共有、従業員の地域別の緊急連絡先の登録、厚生労働省の最新情報の入手などがある。
テンプレートの利用方法については、Microsoftが公開している「Japan Windows Blog」のエントリーで詳しく解説されているが、ここでは簡単に利用するまでの流れを紹介しておこう。
まず上記のブログエントリーから「CrisisCommunicationJP.zip」というファイル名のZIPファイルをダウンロードし、ローカルで展開しておく。なお、ZIPファイル内には、さらにZIPファイル(SharePointリスト作成フロー.zip/社内緊急対策(管理者用)アプリ.zip/社内緊急対策アプリ.zip/新しい社内報の投稿を通知.zip)が含まれているが、これらは展開せずにそのままにしておく。
続けてSharePoint Onlineにアクセスして新しいチームサイトを作成、さらにPower Automateで「SharePointリスト作成用Power Automateフロー.zip」をインポートして実行し、カスタムリストを作成する。
次に「Power Apps」で「社内緊急対策アプリ.zip」をインポートし、Microsoft Teamsでの専用チームを作成。さらに会社にヘルプが求められたときの通知を受け取るため、「CrisisCommunication.RequestHelp」フローに作成したチームを登録する。
また、管理者用アプリも用意されているので、同様にPower Appsで登録を行い、初期コンテンツを作成する。さらに社内報が登録されたときにエンドユーザーに通知するためのフローとして、「新しい社内報の投稿を通知.zip」をインポートする。
最後に、登録したアプリをMicrosoft Teamsから利用できるように設定し、さらにPower BIで状況を管理するための設定を行えば、作業は完了だ。
テンプレートに含まれているアプリを使えば、Microsoft Teamsから簡単に在宅勤務や有給休暇の取得を報告できるほか、会社にリクエストをすばやく送ることもできるなど、便利な機能がいくつも盛り込まれている。
また、管理者用アプリから社内報を登録して全社員へ配信できるなど、会社から従業員に対してメッセージを一斉配信するような場面でも利用できる。Power BIで状況を把握できる点も便利なポイントだろう。
いつからいつまで在宅勤務を行うなど、単純な連絡だけであればメールやMicrosoft Teamsのようなチャットツールでも可能だが、定量的に状況を把握することが難しいという難点がある。
しかし、このアプリであれば、Power BIで各従業員の勤務場所を集計したかたちで把握可能だ。従業員側にも、いちいちメッセージを作成することなく、アプリ上ですばやく在宅勤務や有休取得を報告できる利便性がある。
新型コロナウイルス対策として在宅勤務を採り入れているのなら、ぜひ活用を検討してみてほしい。
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