Microsoft 365 Personal徹底解説

第6回

Microsoft 365 Personalユーザー必携! 新しくなったモバイルアプリ

 Microsoftでは、AndroidおよびiPhone/iPad向けに、これまでも「Word」「Excel」「PowerPoint」の各アプリを提供しているが、それとは別に、AndroidとiPhone向けに「Microsoft Office」アプリを新たにリリースした(2020年6月5日時点では、iPadは未対応)。ここでは、iPhone版を使って、新しいMicrosoft Officeアプリの機能をチェックしていきたい。

紙書類を撮影してテキスト化できるOCR機能

「Word」「Excel」「PowerPoint」が統合された「Microsoft Office」アプリ。デスクトップアプリと比べると機能は制限されるが、既存ドキュメントの編集用途なら十分に使える

 Microsoft Officeアプリは、WordとExcel、PowerPointを1つに集約したもの。それらのアプリをわざわざ切り替えることなく使えるのが大きなポイントだ。

 従来のモバイルアプリと同様、Microsoft 365 Personalのユーザーであれば、プレミアム機能を利用できる。

Microsoft 365 Personalのユーザーであれば、さまざまなプレミアム機能を利用できる

 ただ、Microsoft Officeアプリは単に3つのアプリを統合しただけではない。そのほかにも、さまざまな機能が組み込まれている。

 その1つが、画像からテキストや表を抽出する“OCR”の機能だ。印刷物の文字をすばやくテキスト化できるほか、表の内容をOCR処理して、Excelファイルを作成する機能もある。

OCRで抽出した結果は、クリップボードにコピーしたり、ほかのアプリと共有したりできる
印刷された表を撮影し、OCR処理を行った上でExcelへ取り込むことも可能
撮影した書類を認識し、正しい向きへと自動的に修正する機能を持つ

 単体アプリである「Office Lens」と同様に、ホワイトボードや印刷物を撮影し、傾きの補正や切り抜きなどが行えるほか、撮影した画像やiPhoneに保存された画像をPDFとして保存できる。紙の資料をデジタルデータとしてすばやく取り込みたい、といった場面で便利だろう。

 WordやExcel、PowerPointのファイルをPDFへダイレクトに変換する機能も備えている。これにより、例えばOneDriveに保存しているExcelファイルを編集し、顧客や取引先にPDFで送信するといったことが、スマートフォンだけでできるわけだ。

QRコードでスマホとPCをペアリングし、ファイルを送受信

 スマートフォンとPCでファイルを送受信できる「ファイルの転送」もユニークな機能だ。PCのウェブブラウザーでFile Transferのウェブサイトを開くと表示されるQRコードをスマートフォンのカメラで読み取り、コードを確認してペアリングすると、ファイルを送受信できる機能となる。

PCのウェブブラウザーでFile Transferのウェブサイトにアクセスし、表示されたQRコードをスマートフォンで読み取る

 ファイルはインターネット経由で送受信されるため、やり取りするスマートフォンとPCが同じネットワークに接続されている必要はない。相手が社内LAN、自分はモバイル回線であっても、それぞれがインターネットに接続されていれば、ファイルを送受信できる。

まず、スマートフォンからファイルを送信するか、PCから送られたファイルを受信するのかを選択する
QRコードを読み取った後、スマートフォンとPCのそれぞれにコードが表示されるので、一致していればペアリングをタップする
無事ファイルを受信することができた。同一ネットワークに接続していなくても、ファイルをやり取りできるのは便利

 例えば、会議や打ち合わせの際、ほかの参加者がプレゼンテーションで使用したPowerPointファイルを受け取りたいといったケースは少なくないだろう。

 通常であれば、メール添付などでファイル送ってもらうことになるが、この仕組みを使えば、スマートフォンとPCの間で、ダイレクトにファイルをやり取りできる。場面によっては非常に便利な機能だろう。

スマホとPCでメモした内容を相互に参照できる

ホーム画面に表示される「メモ」。画面下の「+」ボタンをタップし、新たなメモを作成することもできる

 Windows 10の「Sticky Note」と連携したメモの機能もある。これを利用すれば、PCで書いたメモをスマートフォンで参照する、あるいは外出先でスマートフォンへメモした内容をPCでチェックする、といったことが可能だ。

 モバイル版のWordやExcel、PowerPointを個別にインストールした場合と比較して、どのアプリで作成したのかを意識することなく、必要なファイルをすばやく開いて編集できるMicrosoft Officeアプリの方が、ストレスが少ないはずだ。

 印刷された書類をPDFとして取り込めるなど、スマートフォンをビジネスで使う上で便利な機能が数多く提供されている点もポイントだ。

 このようにMicrosoft Officeアプリの利便性は高い。Microsoft 365 Personalを利用しているのであれば、ぜひインストールしておきたいアプリだ。

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