自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第79回

PS5ならWi-Fi 6ルーターにつなげよう

 連載の使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、やはり自宅で過ごす時間が増え、ゲームはもとより自宅でできるエンタメ系が人気のようだ。前回はシッカリ遊びたい人向けにFire TV Stickにゲームコントローラーを接続したが、今回から、ソニー「プレイステーション 5(PS5)」を自宅Wi-Fiへつなげて活用していこうと思う。

 PS5が発売されたのは2020年11月になるが、いまだに品薄状態が続いていて抽選販売が主だが、以前よりは入手しやすくなってきているようで、ようやく購入権を当てて、わが家にもやってきた。

今回からソニー「プレイステーション 5(PS5)」をWi-Fiにつなぐ際のコツなどを伝授しつつ遊んでいこう

PS5は最新規格「Wi-Fi 6」に対応! 1.4倍速くなる?

 PS5は、最新規格である「Wi-Fi 6」に対応しているのがポイントだ。PS5の導入を機会に、Wi-Fi 6対応のルーターへアップグレードするのもいいだろう。

 Wi-Fi 6対応ルーターは、2019年あたりから普及し始め、最近では各社の普及価格帯のモデルまで出そろってきている。新たにWi-Fiルーターを買うのなら、Wi-Fi 6を選びたい。

 Wi-Fi 6は「IEEE 802.11ax」とも呼ばれ、規格上の最大速度は約9.6Gbpsとなるが、スマホなどでは最大1201Mbps(80MHz幅×2ストリーム)が現実的な理論値で、PS5の速度もこれと同じだ。PCなどでは最大2404Mbps(160MHz幅×2ストリーム)の速度も利用できる。

ソニーのPS5は、最新規格である「Wi-Fi 6」に対応している

 これまでの「Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)」は2ストリームで最大866Mbps(PS4後期型およびPS4 Proはこれ)なので、およそ1.4倍程度の通信速度アップが期待できるわけだ。また、Wi-Fi 6では、多くのWi-Fi子機をつないでも、通信の安定度が高いのも特徴となっている。

セキュリティ規格「WPA3-Personal」にも対応したWi-Fi 6対応ルーターを選ぼう

 Wi-Fi 6対応ルーターを選ぶ場合、PS5やスマホでの利用が主なら最大1201Mbpsの製品でも十分。多くのWi-Fi子機で同時に大量の通信をしないのであれば、PCでの利用を考えても最大2402Mbpsに対応していれば十分だろう。

 PS5は、Wi-Fiのセキュリティ規格「WPA3-Personal」にも対応した。従来の暗号化方式である「WPA2-PSK」の弱点を改善することで、セキュリティの強度が向上している。最新のスマホやPCのOSでも対応済みなので、これが使えるかどうかもルーター選びの重要な点になる。

 こうした製品は、1万円前後で販売されている。今回は、80MHz幅で4ストリームに対応するバッファローの「WSR-3200AX4S」を選んでみた。WPA3-Personalに加えて、フレッツ光回線の遅延を回避できる技術である「IPv6 IPoE」(IPv4 over IPv6)での接続にもしっかり対応している。

今回PS5とつなげてみるWi-Fi 6対応ルーターはバッファロー「WSR-3200AX4S」

 少し注意したいのは、11axでの接続が5GHz帯だけに絞られている点だ。11axは規格上、2.4GHz帯でも利用できるのだが、実際には混み合っていて、あまり実用的ではない。それでも遠くまで電波が届く利点があるので、もし利用したいなら、2.4GHz帯でも11axが使える上位モデルを選ぼう。

Wi-Fi 6ルーターとの組み合わせで十分な速度、4Kコンテンツも安定再生

 ちなみにPS5は、各種VODサービスにも対応している。今後も増えていくだろうが、現時点ではYouTube、Netflix、Amazonプライムビデオ、Hulu、Apple TV、DAZN、U-NEXT、DMM.com、Twitchと、音楽配信のSpotifyを試聴できる。

各種VODサービスにも対応している。アプリをインストールすれば、「メディア」というタブからアクセスができる

 ただ、消費電力が大きめなので、Fire TV Stickのような端末を持っているなら、そちらで視聴した方が省電力だ。PS5でのメリットは、余裕を持って4Kコンテンツを再生できる能力があるところ。Wi-Fi 6ルーターと組み合わせれば、十分な速度で安定した通信が行える(もちろん有線LAN接続もできる)。

 光学メディアは、4K Ultra HD Blu-ray、Blu-ray、DVDを再生可能(当然ドライブのないPS5デジタル・エディションは除く)だが、録画したタイトルなどをネットワーク経由で試聴する「DLNA(DTCP-IP含む)」機能は持っていない。

 この手の録画関連機能については、2021年度中「nasne」を使ってにテレビ番組を録画や視聴を可能にするアプリケーション「torne」のPS5版が提供予定なので、そちらに期待するのがいいだろう。

【今回の教訓(ポイント)】

PS5はWi-Fi 6とWPA3-Personalに対応
Wi-FiルーターもWi-Fi 6に対応した製品を選ぼう

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。