自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第87回

Wi-Fiルーターに固定したPS5のIPアドレスを指定してDMZを設定

 連載の使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説しているが、やはり自宅で過ごす時間が増え、ゲームはもとより自宅でできるエンタメ系が人気のようだ。本連載ではしばらくの間、ソニー「プレイステーション 5(PS5)」を自宅Wi-Fiへつなげて活用していこう。

 PS5が発売されたのは2020年11月になるが、いまだに品薄状態が続いていて抽選販売が主だ。とはいえ以前よりは入手しやすくなってきているようで、ようやく購入権を当てて、わが家にもやってきた。

今回はDMZの設定をルーター側で行ってみよう。PS5のIPアドレスは固定しておいてから始める

リモートプレイやオンライン対戦が外出先でうまくできないときだけDMZを設定しよう

 前回、PS5をDMZに設定する意味やデメリットを確認しながら、実際にPS5を固定IPアドレスに設定する方法を解説した。

 DMZに設定するには必須なので、機器のIPアドレス固定に成功してから読み進めてもらいたい。また、当たり前のことだが、Wi-Fiルーターがアクセスポイントモードやブリッジモードで動作していると、DMZ機能は動作しない。このときは、DMZの項目すら表示されない状態だ。

 DMZの設定は、前回も説明したようにリモートプレイや、オンライン対戦などのマルチプレイがうまくできないといった、外部からの自宅のPS5へのアクセスの不具合に対応するもの。インターネットに直接接続することになるので、多少危険を犯してでも遊びたいときに使うべきものだ。DMZに設定してもネット接続が速くなったり、ラグが解消することはないので、現時点で不具合がなければ、勘違いして設定しないで欲しい。

 DMZの設定自体はルーターで行う。スマホアプリでの設定には、たいてい対応していないので、ウェブブラウザーでルーターの管理画面へアクセスし、[詳細設定]で[NAT~]や[ファイアウォール~]といった項目の中に[DMZ]や[簡易DMZ]などの項目が見つかるはずだ。ここで、PS5の固定IPアドレスを入力し、DMZをオンにしよう。

NTT東西のフレッツ光回線で使われるホームゲートウェイ「PR-400MI」の例。[詳細設定]にある[静的NAT設定]で、[ワンタッチ設定]の[簡易DMZ機能]にチェックを入れて、PS5の固定IPアドレスを入力。直下の[設定]ボタンを押すと完了ダイアログが表示されて設定ができる
バッファロー「WSR-3200AX4S」の例。[詳細設定]で[ルーターモードセキュリティー]を選び、[DMZ]を表示。PS5の固定IPアドレスを入力し、[設定]ボタンを押すと有効に。オフにしたいときはアドレスを空欄にすると設定できる
ASUS「RT-AC67U」の例。[詳細設定]の[WAN]に[DMZ]タブがある。[DMZを有効にする]で[はい]を選ぶと、IPアドレスの欄が入力可能になる
TP-Link「Archer AX4800」の例。[詳細設定]の[NAT転送]で[DMZ]を選ぶ。[有効]をチェックしてPS5の固定IPアドレスを入力し、[保存する]ボタンを選ぶ

使い終わったらDMZをオフに二重ルーター状態でWi-Fiルーターの付加機能を使いたいときにも

 リモートプレイなどを遊び終わったら、DMZはなるべくオフにしておこう。固定したIPアドレスはそのままにしておけば、遊びたいときに設定をオンにするだけなので、たいした手間ではないだろう。

 PS5などゲームコンソールのハードウェアは、外部からのサイバー攻撃に耐えられるよう、十分な対策が施されているので、それほど心配しなくて大丈夫なはずだが、念のためだ。

 なお、PS5やPS4の乗っ取りを心配するなら、DMZとは無関係だが、PlayStation Networkのアカウントには2段階認証を設定し、シッカリ守っておいて欲しい。

 なお、このDMZ機能については、インターネット回線に接続されたルーターに、新たにWi-Fiルーターを追加して接続するときにも、アクセスポイント(ブリッジ)モードにせずルーターモードで使いたいといった要求に応えるためにも活用できる。

 どうしても新しく追加したWi-Fiルーター側でルーター機能を使いたいときに便利だ。アクセスポイントモードにするとオフになってしまうことも多い、ホームセキュリティやQoS、VPNサーバー、NASなどの付加機能を使いたいときなどに、前段にあるホームゲートウェイなどのルーター機能をオフにできないケースで、二重ルーターにもしたくないという状況を解決できる。

 今回はPS5をDMZに設定しているが、これを追加するWi-Fiルーターに置き換えて設定すればいいわけだ。もちろん、そのWi-FiルーターのIPアドレスは固定しておく必要がある。

 PS5で[NATタイプ]が[タイプ3]になっていて、明らかに自宅内で二重ルーターになっているときは、このように前段のルーターでDMZを設定して、1つルーターを減らす方法も有効だ。

今回の教訓(ポイント)

DMZの設定はルーターで固定したIPアドレスを指定する
DMZ機能は自宅内の二重ルーター解消にも活用できる

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。