自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第113回

バッファロー版「nasne」をスマホで外出先から楽しむには3カ月に1回再認証を

 本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。

 これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、またはスマホや「Chromecast with Google TV」の「torne mobile」を組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。

今回はnasneでリモート視聴する設定を再確認しておこう

 LAN内で視聴する分には、この設定のままで全く意識する必要はないのだが、外出先からのリモート接続では、「エニイタイムアクセス」という機能を使って、nasneとtorne mobile間を接続している。ただ、登録後90日間経過すると自動的にペアリングの登録が解除され、再び接続端末を認証する必要がある。

 ペアリングが解除された状態だと、torne mobileでもリモートからはテレビも録画番組を見られなくなる。ペアリング登録は外出先からリモートでは実行できないので、お手上げ状態になってしまう。外からのアクセス機会が多くないときには注意が必要だ。

 これを知らないと、ある日突然、ホテルでの宿泊時などに自宅のnasneへアクセス不能となってしまい、チョット残念な思いをするハメになる。そろそろ使い始めて3カ月が経過して、ペアリングが解除される端末も出てくるころだ。

 そこで今回は再認証の設定を見てみよう。視聴用の「torne mobile」アプリで外出先からアクセスするための設定は、以下の連載第102回で実践しているが、これをもう少し詳細に見ていこう。

 nasneの設定画面は、ウェブブラウザーでnasneのIPアドレスを入力すると表示される「nasne HOME」から確認できる。torneやtorne mobileからなら、設定の[nasne設定]―[(設定するnasne)]―[nasne HOME]から表示できる。

PCのウェブブラウザーでnasneのIPアドレスを入力して[nasne HOME]を表示し、[メディアサーバー設定]を選ぶ。torne mobileでも同じ画面が表示される
torneやtorne mobileでのアクセス端末がMACアドレスごとに認証されていて、有効期限が近いことが分かる
すでに有効期限が切れている場合の表示。更新しないと外出先からのリモート視聴ができない

 基本的に同一LAN内でtorne mobileを使っていれば自動的に更新されるはずだが、確実に更新したい場合に今回の手順を踏むと便利だ。難しい点は特にないが、とにかく自宅内でnasneと同一LANに接続している状態で更新作業を行う必要がある。頻繁にリモート接続するなら、気が付いたときにこの更新を行っておけば、外出時にあわてることがないだろう。

torne mobileの設定画面で[nasne設定]をタップ
同一LAN内であればnasneが表示される。設定したいnasneをタップ
[ペアリングの更新]をタップ
説明が表示されるので[次へ]をタップ
[ペアリングの更新]をタップ
確認画面が表示され、ペアリングが更新される。失敗するときは、以下のMACアドレスの状態をチェックしてみよう

 このペアリングでの認証情報が、同一LAN内であっても自動で更新できない原因の1つに、iOS 14以降で利用できる「プライベートWi-Fiアドレス」という機能がある。

 これは、端末固有のMACアドレスではなく、ランダムで生成したMACアドレスを使うことでウェブサイトの広告などによるトラッキングを防ぐという機能なのだが、nasneでは端末のMACアドレスを照合して認証情報を管理しているので、一時的にオフにしておかないとペアリング情報を更新できないためだ。

 同様の機能はAndroid 10以降にもあり、Wi-Fiの接続先SSIDの情報を表示すると、「ランダムMACアドレス」といった機能名などから設定ができるはずだ。

 この制限があるのはペアリングの認証時のみで、視聴時にはないようなので、設定が完了したらオンに戻しても大丈夫。ただ、オンのままだと、自動でペアリングの更新が行われない。プライベートWi-Fiアドレスの機能は、ペアリングの再認証時にエラーとなった場合にのみオフにすればいいだろう。

iOS 15.5に更新したiPhoneでのケースを見てみよう。Wi-Fiの接続中にSSIDの[i]をタップ
[Wi-Fiアドレス(MACアドレス)]がnasneでチェックしたMACアドレスと異なっていて、[プライベートWi-Fiアドレス]がオンになっていればオフに切り替える
警告が表示されるが[続ける]をタップ
端末自体の本来のMACアドレスに切り替わる。この状態にしたらtorne mobileでペアリングの設定をやり直してみよう

 ペアリングの更新が正常にできたかは、[nasne HOME]で再度確認して欲しい。[有効期限]が無事に90日間へ更新されていればOKだ。この状態なら、外出先からリモートで視聴できる。

再度[nasne HOME]から確認してみると、該当デバイスの[有効期限]が更新されている

今回の教訓(ポイント)

torne mobileで外出先からリモート視聴する場合、ペアリングの期限切れに注意
再認証の作業は、スマホ固有のMACアドレスを用いて同一LAN内で作業しよう

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。