自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第114回

バッファロー版「nasne」に外付けドライブを増設する

 本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。

 これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、またはスマホや「Chromecast with Google TV」の「torne mobile」を組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。

 今回からはバッファロー版nasneをリモートワークなどで便利に使えるファイルサーバーとして活用してみよう。スマホからも利用できるが、特にWindowsやMacといったPCで便利な機能だ。

今回はnasneに外付けドライブを増設してみよう

 nasneに保存したファイルには、LAN内からのみアクセスできる。残念ながら、外出先からインターネット経由でアクセスすることはできない。

 以前のSIE版nasneは、Android向けに「nasne ACCESS」という外部からnasneのコンテンツにアクセスできるアプリがあったのだが、現在のバッファロー版では提供されていない。

 ファイル共有の方式が、SIE版はすでにWindowsでのサポートが終わっているSMB 1.0だったのだが、バッファロー版はSMB 2.0に進化していて、Windows 11では初期設定のまま(ファイル共有探索の許可は必要だが)nasneの共有フォルダーへアクセスできる。

 最近のノートPCはSSDの搭載が増え、ドライブの容量が少なめなので、作業中のファイルを内蔵ドライブに、あまり使わない過去のファイルをnasneに保管して必要なときだけ参照するなど、容量を補ったりバックアップ先などとして便利に活用できる。

 このように、LAN上で使えるドライブは「NAS(Network Attached Storage)」と呼ばれ、“nasne”というネーミングの由来にもなっている。

 バッファロー版nasne「NS-N100」の内蔵ドライブは2TB。多いように感じるかもしれないが、テレビ番組を思い付くくまま録画していくと、ワリとすぐにイッパイになってくる。ファイルサーバーとしても使うなら、ぜひとも外付けドライブを用意したい。もちろん録画番組を外付けドライブへ保存することもできる。

nasneには、6TBまでのHDDやSSDなどを外部ドライブとして1台接続できる

 nasneに接続できる外付けドライブは1台のみで、2.5インチHDDを採用したポータブル用途のバスパワータイプでも問題ないが、容量は最大6TBとなる。容量を優先すればHDDになるが、動作音が気になるならSSDを選んでもいいだろう。

 USB 3.1対応のドライブもつなぐことはできるが、接続はUSB 2.0なので転送速度は頭打ちになる。安価なUSB 2.0接続ドライブで十分だ。ファイルシステムにはLinuxで使われるXFSが採用されていて、初回接続時には自動的にフォーマットが促される。

ドライブとの接続はUSB 2.0。USBバスパワーで駆動する2.5インチであれば、つなぐだけで電源が入る
「nasne HOME」で[ハードディスク管理]を開くと、外付けのドライブが「未登録」と表示されているはず。[登録]をクリック
警告画面が表示される。この操作で接続したディスク内にファイルがあっても全て削除される
登録中。XFSでフォーマットされる
外付けドライブが登録され、使えるようになる。登録解除ボタンを押すと、ディスク内のファイルが削除されるので注意
[ファイルサーバー設定]を見ると、共有フォルダー名として内蔵ハードディスクが「share1」、外付けハードディスクが「share2」と設定されている

 外付けドライブには番組の録画もできるが、録画番組は接続しているnasne以外では再生できないので注意しよう。nasneでも別の個体にドライブを接続しても再生できない。あくまでも機器と1対1で認証して、はじめて利用可能になる。

 また、スマホのtorne mobileで録画予約する場合、内蔵と外付けの残容量を見て自動的に選択される。録画先として外付けドライブを明示的に選ぶことはできず、内蔵と外付けを意識せずに大きな1ドライブとして使うようなイメージとなる。

 ただ、Windowsの「PC TV Plus」では、番組の予約時に録画先として内蔵と外付けを選ぶことができる。

Windowsの「PC TV Plus」では、録画時に内蔵と外付けを選んで予約可能

 なお、連載第98回でもお勧めしたように、nasneの初期設定時にIPアドレスを固定しておいた方が断然使いやすい。PCやスマホからアクセスするIPアドレスを固定できるからだ。それに、LAN内で一度アクセスできさえすれば、その後は設定が変わらないので安定して接続できる。

 IPアドレスを自動で割り当てるDHCPなどに設定されていると、変更された際にその都度接続先を変更しなければならない場合もある。nasneのIPアドレスを固定する方法は、以下の第98回で詳しく紹介しているが、基本的には「nasne HOME」の[基本設定]でIPアドレスを[手動]にし、固定したいIPアドレスを入力するだけだ。

nasne HOMEにアクセスし、[基本設定]でIPアドレスを[手動]にして数字を入力し、nasneのIPアドレスに固定しておくと便利

 さらに、自宅LANでのIPアドレス固定化について、以下連載の第38~41回で詳しく触れているので、基本的なLAN設定について知りたい場合は参考にして欲しい。

 次回からは、共有フォルダーにアクセスしてみる。

今回の教訓(ポイント)

バッファロー版「nasne」には、外付けディスクを1台接続できる
「nasne HOME」で登録作業をすると、ディスクが使えるようになる

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。