自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第93回

バッファローのWi-Fi 6ルーターを「Wi-Fi EasyMesh」のコントローラに設定

 連載の使いこなし編では、自宅Wi-Fiの電波状況を良くする方法を解説している。第91回からは「Wi-Fi EasyMesh」を使って、一軒家や複数部屋があるマンションなどで、快適なWi-Fi環境を構築している。

前回に続いて、「Wi-Fi EasyMesh」を使って、自宅Wi-Fiのエリアを広く快適にしてみよう。コントローラの設定からはじめる

 Wi-Fi EasyMeshは、対応ルーターであれば、メーカーを問わず相互にメッシュWi-Fiを構成可能な標準規格だ。

 これに対応するバッファローのWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S」と「WSR-3200AX4S」で、実際にメッシュWi-Fiを構築してみている。

バッファローのWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S(写真奥)」と「WSR-3200AX4S(写真手前)」を使って「Wi-Fi EasyMesh」を実践

 前回はルーターのファームウェアを対応するバージョンにアップデートした。これはメッシュWi-Fiを使う前提となる重要な作業なので、必ず行って欲しい。

 ルーターが対応しているかは、設定画面にアクセスして[EasyMesh]という項目があるかどうかをチェックすると、手っ取り早く確認できる。

バッファローのWi-Fiルーターなら、設定画面にアクセスして[EasyMesh]という項目があれば利用できる

Wi-Fi EasyMesh対応のWi-Fi 6ルーター「WSR-5400AX6S」をコントローラに

 さて今回からは、実際にWi-Fi EasyMeshでメッシュWi-Fiを構築していく。EasyMeshでは、インターネット回線の接続や、全体のコントロールを行う働きをする「コントローラ」と、電波のエリアを補完して広げる働きをする「エージェント」に分かれていて、個別に設定していく必要がある。

 1台のコントローラに対して、エージェントは4台まで接続できる。今回は「WSR-5400AX6S」をコントローラに、「WSR-3200AX4S」をエージェントとして設定する。詳細は第91回を参照して欲しいが、基本的には性能の高い方をコントローラにするのがいいだろう。

ルーター背面のスイッチは、いちおう「AUTO」推奨

 最初に、コントローラの「WSR-5400AX6S」で設定する。コントローラ側では、ルーター背面の「AUTO/MANUAL」スイッチは「AUTO」にしておく。「ROUTER/AP/WB」スイッチはどれでもいい[*1]。通常であれば「ROUTER」にして、Wi-Fiルーターとしてインターネット回線接続を完了させてから、オリジナルなSSIDを設定し、暗号化の設定も済ませておこう。

[*1]……バッファローの取扱説明書には、この設定がコントローラ側の設定として記載されているが、試した範囲では「MANUAL」と「ROUTER」の組み合わせでもEasyMeshのコントローラとして動作した。自分で判断して設定できるなら、「AUTO」にしなくてもエージェント側で使う「MANUAL」と「WB」の組み合わせでなければ、コントローラとして問題なく使用できそうだ

 バッファロー製品同士でのEasyMeshでは、最新の暗号化方式である「WPA3」を利用できる。[WPA3 Personal]か、WPA2と互換性を考え[WPA2/WPA3 Personal]のどちらかを「SSID2」側で選んで設定するといい。

最新の暗号化方式「WPA3」の設定は(デフォルト選択のSSID1ではなく)[SSID2]で行う

 その後は続けて設定画面で、[EasyMesh]の項目から[EasyMesh機能]の[使用する]にチェックを入れて利用できるようにする。これで、コントローラ側の準備は完了だ。

設定画面のトップページから[EasyMesh]を選ぶと表示される画面。[EasyMesh機能]と[高速ローミング(11r)]の[使用する]にチェックを入れ、[設定]ボタンを押して反映

 念のため、ちゃんとコントローラとして設定できたのかを、設定画面の同じページにアクセスし、[接続機器一覧の表示]ボタンを押すと表示される一覧で確認してみるといい。

反映後に再度、同じ画面の[接続機器一覧の表示]ボタンから設定を確認しよう。「コントローラ」と表示されていればOK。「デバイス」に表示されているのは、設定中のPCだ

 これで、EasyMeshのコントローラ側が設定できた。次回はエージェント側を設定するが、こちらの設定は複製できるので、複数台あっても簡単に増やせる。

今回の教訓(ポイント)

EasyMeshでは、先にコントローラを設定する
バッファロー製品同士のWi-Fi EasyMeshでは積極的に「WPA3」を使おう

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ! 使いこなし編」連載記事一覧

「自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!」連載記事一覧

村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。