自宅Wi-Fiの“わからない”をスッキリ!

【使いこなし編】第120回

Chromeリモートデスクトップを使ってバッファロー版「nasne」の共有フォルダーにアクセスしてみよう

 本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。

 これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、または、スマホや「Chromecast with Google TV」向けの「torne mobile」アプリを組み合わせて、自宅内のWi-Fiだけでなく、外出先のモバイル回線やホテルで提供されているWi-Fiにつなぎテレビで視聴する方法や便利な使い方などを紹介している。

今回は、設定したWindows PCにアクセスしてみる。GoogleアカウントにChromeでログインしていれば、すぐに接続できる

準備を整えた上で、実際に外出先から自宅LAN内のPCにリモートアクセス

 前回は、Chromeリモートデスクトップを使って、外出先からモバイル回線で、nasneの共有フォルダーへアクセスするための準備として、自宅LAN内に設置したPC側を設定した。

 今回は、さっそく自宅から外へ出て、カフェやホテルなどの外出先からアクセスしてみよう。ちなみに、自宅に置いてあって「操作される」側のPCを「ホスト」PC、外出先のモバイル回線から「操作する」側を「ゲスト(クライアント)」などとも呼ぶので覚えておこう。

 前回も書いたように、自宅ネット回線はフレッツ光で、IPv6 IPoE(IPv4 over IPv6)接続を使っている。Chromeリモートデスクトップでは不要なので、ポート開放などは設定していない。さらに、自宅LAN内のルーターへインターネット経由でアクセスするときに設定することも多いUPnPもオンにしていない。UPnPをオンにするとセキュリティリスクも増すので、注意しておこう。

「http://(ルーターのIPアドレス):8888/t]で表示できる配信済みソフトでは、[IPoE IPv4設定]の[高度な設定]でUPnPの設定を確認できる。初期状態は[無効]で、手持ちのルーターで接続する場合もUPnPを有効にする必要はない

 今回はドコモ回線のスマホでテザリングし、今回はWindows PCからアクセスしてみた。外出先のモバイル回線で使うPCにGoogle Chromeがインストールされていることだけが条件で、WindowsでもMacでも構わないし、操作方法は全く同じだ。もちろん。接続の際には、ホストと同じGoogleアカウントでログインしておく必要がある[*1]

[*1]……[リモートサポート]というタブでは、異なるGoogleアカウント同士でリモートデスクトップ接続することができる。家族や友人などのデスクトップ操作をサポートするケースなどは便利だ

 前回もスリープしないよう設定しているが、自宅に置いたホストPCは、電源が入ったままになっていることを確認しておこう。放置してスリープしてしまうと、外部からは接続できないので注意。ただ、Chromeを起動しておく必要はない。

外出先のモバイル回線経由で接続し、Google Chromeで「remotedesktop.google.com」にアクセス[*2]。[リモートアクセス]タブを開くと、[オンライン]と表示されたリモートデバイスが表示されるのでクリックする

[*2]……「Chromeリモートデスクトップ」アプリのインストールを促されるので、そのまま導入してしまってもいい

接続中……
設定時にホストPC側で設定したPINを入力。デバイスに保存しておけば、次回からは入力不要だ
接続されるとデスクトップが表示される。Windowsデスクトップが二重に見えるが、外が接続しているゲストPC側、内が自宅にあるホストPC側のWindows画面。クリップボードへのアクセスを許可しておこう
Chromeリモートデスクトップアプリから同じ手順で接続したところ。ウェブブラウザーと比べてウィンドウがスマートになり、可能な操作も増えるので、こちらを使うのがオススメ。nasneの共有フォルダーも当然操作できる
右端にある[<]をクリックするとオプション操作ウィンドウが表示される。[ファイル転送]からnasneに対してファイル送受信が可能。[ファイルをダウンロード]を選んでみよう
ダウンロードするファイルを選択すると、捜査しているゲストPCへ転送される
接続した最初と、ホスト側で操作があったときは、ホスト側にはこのように表示される
macOSからChromeリモートデスクトップアプリを使って接続したところ。操作方法は全く同じ。ログオフするには、オプションを表示させて[セッションのオプション][*3]で[切断]を選ぶ

[*3]……[セッションのオプション]で[全画面表示]と[ウィンドウに合わせてサイズ変更]にチェックを入れると、ゲストPC側の解像度に合わせた全画面表示になり、まるでこちらにあるPCのようにホストPC側を操作できる

 リモートデスクトップでつながってしまえば、デスクトップ上のどんな操作でも可能になる。もちろん自宅のPCにインストールされているExcelを起動して編集することもできるし、サウンドも聞ける。ただし、回線によっては画面描画が遅くなる。前回なるべくホストのデスクトップ解像度を落としたのは、描画を快適にするためだ。

 スマホのギガに余裕があれば、だらだらと操作しても構わないが、外出先で忘れ物ファイルの転送あたりにとどめておくのが、おいしい使い方になる。

 なお、自宅では問題ないかと思うが、会社に置いてあるPCを外部から操作するときには、操作している間は画面が点きっぱなしで、操作や入力している様子がそのまま表示されてしまうことが問題になる。

 デスクトップPCであれば、ディスプレイだけ電源を切っておけばいいのだが、そうでなければ、操作を見られても構わない場面に限って使うように気を付けよう。もちろん、社内に置いてあるPCにChromeリモートデスクトップを使って操作をする場合、必ず事前にIT部門などに使用許可を得るようにしてもらいたい。

 とにかく、Google Chromeがインストールされていて、GoogleアカウントとPINが分かれば、どこからでも自宅(もしくは会社)のPCへアクセスできるので便利だ。ぜひ活用してみて欲しい。

 次回はスマホからアクセスして操作してみよう。

今日の教訓(ポイント)

Chromeリモートデスクトップでは、外出先からモバイル回線で自宅PCのデスクトップを操作できる
Google Chromeで同じアカウントにログインしてアクセスするだけと簡単

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。