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【使いこなし編】第99回

Fire TV Stickでバッファロー版「nasne」の録画を視聴

 本連載では【使いこなし編】の第48回から第53回まで、Amazonの「Fire TV Stick」と、アイ・オー・データ機器の「REC-ON」シリーズを組み合わせて、録画したテレビ番組をWi-Fi経由で視聴する環境を紹介した。

 これと似ているが、バッファロー版の「nasne(ナスネ)」と、「PS5」やAmazon「Fire TV Stick」、またはスマホや「Chromecast with GoogleTV」の「torne mobile」を組み合わせて、自宅内のWi-Fi(外出先のモバイル回線でも可能)を介してテレビで視聴する方法を、これから何回かで紹介していこう。

今回はAmazon「Fire TV Stick」と「nasne」を組み合わせて使ってみよう

Amazon「Fire TV Stick」を使い、「nasne」に録画した番組を視聴してみよう

 前回まででnasneを設置し、PS5/4の「torne」やスマホ用などの「torne mobile」を使ったセットアップが完了した。

 これで、torneもしくはtorne mobileを使って録画予約ができるようになっている。有料の「視聴再生機能」を購入すれば、そのまま視聴も可能だ。

 そこで今回は、Amazon「Fire TV Stick」を使い、「nasne」に録画した番組を視聴してみよう。PS5/4が手元にない場合には、Fire TV Stickを使ってテレビに表示するのが最も手軽だろう。

 これには、「DTCP-IP」という著作権保護機能に対応し、「DLNA」というネットワーク配信の仕組みを用いるプレーヤーアプリをFire TV Stick側で用意すれば実現できる。ここでは以前の連載の作業と同じく、プレーヤーアプリとして、デジオン「DiXiM Play Fire TV版」を使う。

 同様なことは、スマホやタブレットでも可能なので、参考にしてもらいたい。「DiXiM Play」のAndroid版やiPhone/iPad版、Amazon Fireタブレット版、Mac版(Appleシリコン専用)などを使えば、Fire TV同様に録画番組を視聴できる。

 なお、DiXiM PlayにはWindows版もあるが、Windowsでの操作に関しては、ソニー「PC TV Plus」という別ソフトを活用しようと考えている。

 DiXiM Playでは番組視聴しかできないが、こちらは録画した番組をPCのHDDやBlu-ray Discへムーブもできるので、Windows PCをnasneのバックアップとして使うこともできる。バッファロー版nasneにも対応しているので、こちらの使い方も今後紹介していきたい。

Fire TV Stick以外にも、さまざまな環境で利用できる「DiXiM Play」。自分の持っている環境に合わせて使ってみて欲しい

「DiXiM Play」はお試し視聴から入るのがおススメ

 DiXiM Playは有料だ。単なるDLNAプレーヤーだけであれば、無料のアプリもあるのだが、著作権保護機能であるDTCP-IPに対応したアプリを使うのに多少のお金がかかってしまうのは、ご容赦願いたい。

 有料ではあるが、このDiXiM Playがあれば、torneのような専用アプリを使わずに、DLNAサーバー機能を持つnasne以外のレコーダーで製品で録画した番組なども、汎用的に再生ができるので、持っておいても損はないだろう。

 ただ、いきなり購入せず、まずはちゃんと視聴できるのか、お試し視聴をしてみて欲しい。nasne側では、最初からネットワークサーバーとして動作しているので設定は不要だ。

 Fire TV Stickで検索し、「DiXiM Play Fire TV版」をインストールして起動してみよう。次に、[まずはお試し]を選ぶと、録画番組を1分間再生できる。

Fire TV Stickのホーム画面から[探す]で検索
「DIXIM」と入力すると候補が表示される
「DiXiM Play Fire TV版」をインストールする
初回起動時は使用許諾契約書の同意画面などがある。この画面が表示されたら[まずはお試し]を選ぼう
1分間のお試し視聴が可能である旨の確認画面が表示される
[設定]を選んで画質の設定をしておこう
[設定]のメニューから[基本設定]を選ぶ
[宅内再生時の画質]で[オリジナル録画画質]を選んでおく
[家でみる]を選ぶ
一覧に「nasne-1」が表示された

 DiXiM Playの画面にLAN内のnasneが表示されたら、後は録画した番組を表示して再生するだけだ。再生画質の選択も可能だ。

「nasne-1」の[ビデオ」を選択
[すべて]や[ジャンル]などから録画した番組が選択できる
再生中の選択ボタンを押すと、情報が表示されるので[再生画質]を選んでみる
再生画質を変更できる。Wi-Fiの状態が悪いときは、画質を下げるといい

 [ビデオ]の一覧で[ライブチューナ]を選ぶと、現在放送されている番組を見ることもできる。Fire TV Stick経由でテレビ放送を見たくなったら、この機能を使えばいい。PC用のディスプレイにFire TV Stickを接続しているケースでは特に便利だろう。

[ビデオ]―[ライブチューナ]を選択
「地デジ」「BSデジタル」「110度CS」の中から放送中の番組を選択できる

 うまく再生できて使い続けたいなら、購入すれば長時間再生が可能になる。購入の詳細な手順は連載の第50回に書いているので参考にして欲しいが、「DiXiM Store」でライセンスを購入し、「DiXiM ID」でFire TV StickのDiXiM Playへログインすればライセンスが有効になる。

 Fire TV版はDiXiM Storeだけで購入できるが、AndroidやAndroid TVではGoogle Play経由でも購入できる。Fire TV Stickなら、PS5に比べて消費電力もかなり少ない。nasneをテレビで見るデバイスとして、悪くない選択だろう。次回は、「Chromecast with GoogleTV」を使ってみよう。

今回の教訓(ポイント)

「DiXiM Play Fire TV版」でnasneの録画番組を再生できる
現在放送されている番組も視聴可能

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。