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【使いこなし編】第159回

Amazon「Ring」カメラで動きを検知したらテレビに映像を出すAlexa定型アクションを作ってみよう

 Alexaの定型アクションについて前回紹介したが、今回はその応用編。第151回第154回でも取り上げた、Amazonのネットワークカメラ「Ring」を使い、カメラで動きを検知したら、Fire TV Cubeを通してテレビに映像を映す定型アクションを作ってみよう。

 本コーナーでは、第130回からAmazonの「Fire TV Cube(第3世代)」の使いこなしを紹介している。前回は定型アクションというモノがどういうものか慣れるため、「おすすめ」タブに収録されているすでに作られたアクションを改変して使ってみたが、今回は完全にオリジナルの定型アクションにチャレンジする。Fire TV CubeとRingカメラを組み合わせ、さらにAlexaの定型アクションを使うという、大掛かりな活用となる。

動きの検知からテレビに映像を映すまでの流れ

 今回作りたい定型アクションが、具体的にはどのような動きで構成されるのかを詳しく見ておこう。これが定型アクションの設計図にもなるので、自分で定型アクションを作りたいときにも、これを参考に作成してみてほしい。

  1. Ringネットワークカメラでモーションを検知(これが実行条件)
  2. スマホにメッセージを表示させる
    [プッシュ通知を送信]-メッセージを入力
  3. テレビの電源を入れる
    [スマートホーム]-[TV]-[リビングテレビ(テレビ名)]-[オン]
  4. カメラの映像を全画面表示
    [カスタム]-「キッチン(Ringの名前)を表示して」とコマンドを入力
  5. 10秒の待機
    [待機]-時間を10秒設定
  6. ピクチャーインピクチャーに変更
    [カスタム]-「閉じて」
  7. 30秒の待機
    [待機]-時間を30秒設定
  8. カメラの映像を閉じる
    [カスタム]-「ピクチャーインピクチャーを終了して」とコマンドを入力
  9. テレビをオフ
    [スマートホーム]-[TV]-[リビングテレビ(テレビ名)]-[オフ]

 以上のうち、[カスタム]でコマンドを入力設定するのは、「アレクサ!〜」と発話に続けて指示をするのと同じ意味となる。コマンドには「アレクサ」を入れなくてOKだ。このような設定ができるということは、定型アクションを使うことで、複数コマンドをいちいち発話しなくても実行できるようになると理解できるだろう。

 実行条件に「音声」を指定すれば、たとえば「アレクサ! ただいま」との声に反応してテレビやライト、エアコンをつけるなど、さまざまな動作を一気にさせる定型アクションにできる。生活で使うシーンを考えて活用してみてほしい。

実際に定型アクションを作成する

 実際に定型アクションを作成していく手順を、以下に紹介する。

 個々の設定では、「このアクションをプレビュー」からテスト動作ができるので、動作を確認しながら定型アクションを作っていける。リストとして並べたら、一連のアクションをテスト実行可能なのは、前回紹介したとおりだ。

Alexaアプリを起動して、[定型アクション]を選択する。前回定型アクションを使用したので、[ホーム]画面にショートカットがあるはずだ。ない場合には[その他]から選ぶ
定型アクションを開いたら、右上の[+]をタップ
この画面の項目を右の[+]をタップして埋めていく。名前は最初に分かりやすくつけておこう。[実行条件を設定]を見ていく
[実行条件を設定]では[スマートホーム]をタップ
画面では[キッチン]になっているが、自分が付けたRingネットワークカメラ名を選ぶ
[検出されたとき]を選択して[次へ]をタップすると設定される
これでカメラが動きを検知したときに動作するようになる。[アクションを追加]で[+]をタップして動作を追加していく
[プッシュ通知を送信]を選ぶと、この画面の後で文章を入力して設定できる
前の画面で[カスタム]を選択すると、Alexaコマンド入力画面になる。文章でコマンド入力が可能だ
最終的にアクションはこのように並べてみた。個々の詳しい設定方法は上設計図を参照して欲しい
最下部の[デバイス]で[デバイスを選択]を選び
実行するデバイスとしてCubeを選ぶことを忘れないようにする

 定型アクションの「3」と「9」として書いたテレビの電源をオン/オフする操作は一応入れておいたが、これは、なくても構わない。テレビの動作中にモーションを感知すると面倒になるので、テレビをよく見ている家庭では、この操作は入れないでおいてもいい。なお、本当はカメラが全画面で表示されるのがうっとうしいので、最初からピクチャーインピクチャーで表示させられるといいのだが、それは残念ながら無理だった。

 定型アクションの設定が完了したら、実際に動かしてみよう。カメラが動きを感知すると、スマホにメッセージが飛び、テレビの電源が入って映像が表示され、しばらくするとテレビがオフになる。このままだとテレビを見ているときには邪魔なので、この定型アクション設定の最上部にある[有効]を[無効]に切り替えると、自動実行はされなくなる。必要な時間帯だけ、[有効]にしておくなど使い方を工夫してほしい。

定型アクションは個別に無効にすることができる
実行すると、スマホにメッセージが表示される
テレビの電源が入ってCubeに表示されるなど、思ったとおり動くか確認しよう

 ネットワークカメラを持っていなくて試してみたい場合、連載でも実践に使ったEcho Dotの第5代目を用意して、熱中症アラートを作ってみるといいだろう。実行条件として、[スマートホーム]-[Echo Dotの名前]-[温度]で設定温度以上になったら、何らかのアラートを発する定型アクションが作成できる。

第5世代目Echo Dotでは、温度センサーを実行条件に設定できる
室温が31度を超えたら音声でアラートを発声するように設定した

今回の教訓(ポイント)

定型アクションは、ゼロからオリジナルなものを構築できる。
[カスタム]から音声で行っていたAlexaコマンドを実行できる。

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村上 俊一

1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。